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ハングリー精神で

2015/04/26 18:51 に Sae Goto が投稿

孟子の言葉だそうです。「有恒产(産)者有恒心:ヨウ・ヘン・チャン・ジャ・ヨウ・ヘン・シン」…常に「産」、つまり収入がある人は、常に心=道徳心、心得もある、ということです。逆に「貧すれば鈍す」、収入が無くなってくると、人間は嫌な面をさらけ出してしまい、負のスパイラルに入ってしまうもの。

 

企業や家庭生活も同じで、一定の収入があり、平凡或いは順調に過ごしている時は、判断も冷静にでき、他人への思いやりの気持ちを持ち続けることができます。でも、経済的な余裕がなくなると、他人より自分、趣味や心の余裕よりもまずは生理的な要求を満たすのに必死になってしまう。人間の悲しい性質ですよね。でも、どん底になったときに、どれだけ上を向けるパワーを持つか、自分で努力した後のイメージを持ち続けて頑張れるか、所謂「ハングリー精神」の考え方で生き方は変えられるものだと実感しています。

 

というのは、最近中国の経営者とお話することが多く、彼ら彼女らの多くが、辛い時期を乗り越えてきているのです。文化大革命でやりたい学問を受けられなかった人、日本に留学しても当時の経済格差のため、親からのお金はとっくに底をつき、常にお財布には硬貨しか入っていなかった人、そして留学当初は日本語も分からず、単純作業のアルバイトしかできなかった人…。その時をどうやって乗り越えたのか、というのを聞いてみると、大抵「自分がそんな安い時給の仕事(単純労働)しかできないのは、自分の日本語能力が低いからだ。もっと勉強して、良い仕事ができるようにならねば!」と、肉体労働で心身を酷使しながらも、必死の思いで勉強し、突っ走って来られています。

 

その時の苦労があるから、事業で成功したり、軌道に乗って安定した収入が確保できるようになったりした今も、「どこかで失敗しても自分には乗り越えられる、いや、乗り越えてきた」という自信があり、新たな投資や事業拡大についても、「腹をくくって」一歩踏み出せる強さがあるのだと思います。

 

一方、初めから「恒産」状態しか知らない私たちは、どうでしょうか?失敗すること、一部を失ってしまうこと、そこから這い上がる自信がなくて、他人にそれほど迷惑はかけないにしても、他人のことを思いやるほどの余裕もない、ちょっと中途半端な状態でおわるリスクもあるのかな、と危惧しています。私たちも失敗を恐れず、でも無茶をするのではなくて、マネジメント能力を身に着けながら「常に道徳心も生産能力もある人間」を目指して頑張りたいものですね。


有恒产者有恒心 [you3 heng2 chan3 zhe3 you3 heng2 xin1]

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