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和尚さんが三人

2017/05/01 5:22 に Sae Goto が投稿
 さて、今日から5月。あわただしく過ぎていった新年度の4月、忙しくも多くの出会いがあり、またすばらしいコンサル経験を積ませていただきました。それぞれの家庭によって、家庭の味や生活リズム、価値観があるのと同じように、企業さんによって、それも同じような業種で同じような規模であっても、それぞれに多様な魅力、多様な課題をお持ちの企業様がおられるのだなぁ、と、改めて感じた月でもありました。

 さて、その中でも「みんな優秀なメンバーばかりのはずなのに、どうもうまくいかない」といったお悩み、何度かお聞きしました。確かに事業運営の成否は人にある、といっても過言ではないほど、「人財」は重要です。そして、高学歴の方が文字情報を早く理解できる、コミュニケーションがスマート、などの利点はあるでしょう。しかし、私はもうひとつのベクトルをもっと重視してほしいと最近力説しています。

 それは、「成績の良し悪し」「能力の高低」ではなく、「意識の有無」「意欲の有無」です。企業にとって、ヒト・モノ・カネは大切な資産。なかでもヒトの重要性は前述のとおりで、いくらAIの時代が到来しても、最終的には人の教育、人間性が何よりも大切であるということは変わらないでしょう。一方、教育には時間もお金も、そして労力もかかります。なかなかきれいごとでは済まない事情があるわけです。だから企業は即戦力を求め、経験者やその道のエクスパートを採用するんですよね。まずは「能力の高低」を重視するんです。なのに、うまくいかない。何故でしょう。

 それは、別の文化圏で成功を収めた者であっても、別文化の組織では必ずしも同じように行動できるとは限らないからです。しくみも言語も違うかもしれません。そして共有できる社内ルールや価値観を受け入れられないままでいると、いくら経験者として入社しても、結局その組織の一員としては機能できず、組織のためという意識・意欲も湧くこともなく、かえって不協和音を起こしたりしてしまうのです。

 中国語にも「三個和尚没水喝(サン・ガ・フー・シャン・メイ・シュイ・フー)」三人の和尚が集まれば飲む水もない、ということわざがある通り、有能な人を集めたところで、結局組織がきっちりしていないと、それぞれが自分の主張ばかりしてしまい、組織を食いつぶしてしまうのです。優秀な人材をかき集めただけの組織ではなく、縁あって集まったメンバーが、みな力を合わせて前向きに進んでいける意欲にあふれた組織をつくること、これが私のこれからのライフワークのような気がしています。

三个和尚没水喝 [san1 ge he2 shang mei2 shui3 he1]


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