週刊コラム‎ > ‎

ウチなりの解釈 『兵法三十六計』  第三十四計 ”苦肉計”(くにくけい)

2013/10/27 20:49 に Sae Goto が投稿

 日本語でも「苦肉の策」という言葉はよく使います。どうしようもなくて、苦し紛れに出た作戦、そんな感じの意味でしょうか。

34計「苦肉計」は、人はもともと自分を傷つけるものではないので、故意に自分や身内、大切なものを傷つけることで敵を騙し、倒す、という作戦のことです。

 自分や身内を傷つけるのですから、もはやどうしようもないような最終手段として使われる、そこに日本語の「苦肉の策」と関連があるのが分かります。今日は、近年「苦肉計は苦手!傾向」が日本で見られるのでは!?と思い、その例を書いてみることにしました。

 

 「苦肉計」は、基本的に戦法ですが、戦争ではなくても人生の大きな決断、勝負の時にも適用できます。例えば結婚。最近の若者は告白してフラれるのが(=自分が傷つくのが)怖くて結婚に踏み出せないとか、実際に会わなくてもインターネット上で「ゆる~く」繋がっておくことも可能な時代だからか、結婚以前の、彼氏や彼女も作らなくて平気な人が増えている、といった話も聞きます。

 

 また、私は中国でビジネスアドバイザーをさせて頂きましたが、その時も、現地企業経営者さん(日本人駐在員)にも同様の傾向があるかな、と感じました。ただ、これは経営者さんの世代若年化に伴う変化というよりは、海外ビジネスのローテーション化が大企業を中心に普及し、多くの企業の海外駐在員は数年で交代するので、慣れた頃にハイ、交代。「自分の駐在時代に変なことをしでかしたくない…」という傾向が強まっている例も、あちらこちらで聞かれました。駐在員家庭の問題もあるので、長期滞在が必ずしも良いとは言えませんが、やっぱり、経営者の腹が据わり、「ちょっとぐらい失敗しても!」という気概あることは、ビジネスの成功に大きく影響するものですよね。

 

ところで、最近お亡くなりになった、アンパンマンの作者、やなせたかしさんの言葉に、「自ら傷つくことなしに正義なし」というのがあります。アンパンマンの生き様そのものです。自分の顔を他人に食べさせる、世界一弱いヒーロー。今の日本の乳幼児で嫌いな子はいないんじゃないか、というぐらいの大人気ですが、その根底にあるのは、戦争で生死の境目をご覧になった、やなせたかしさんの哲学なのかなと、「苦肉計」に関する書物を読んでいて、ふと、思いました。平和と飽食でハングリー精神が薄れてしまった今、そんな心の強さも必要。アンパンマンと苦肉計から、学べるような気がします。
 
苦肉计[ku3 rou4 ji4]
Comments