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ウチなりの解釈『兵法三十六計』 第十七計“抛磚引玉”(ほうせんいんぎょく)

2014/03/02 18:23 に Sae Goto が投稿

 日本語では殆どお目にかかることのない漢字ですが、抛磚(ほうせん)というのは、「磚(れんが)抛げる(なげる)」ということです。レンガを投げて、玉を引く、もちろん「玉」とは、高価なもの、レンガよりも価値の高いものを指します。自分が持っているレンガを出して、相手のより価値の高いものを引き出す、得る、そういう意味です。

 

 おとりを使って獲物を捕まえるのもそうですし、私は最近、中国のお客さんとの会話で、(やはり三十六計の国!!)、彼らのビジネス・ネゴシエーションがこの“抛磚引玉(ほうせんいんぎょく)”に該当する!!と思えることが度々あるのです。

 

 まず、日本人同士の交渉なら、A社が「当社はこうしたい。」、B社が「当社はそうしたい。」と、それぞれ希望条件を出し合い、妥協点を探ります。たぶん、折り合わなかった時のことも考え、互いにフェアでいたい、と「和の心」がそうさせるのでしょう。ところが、ここ最近、大陸の方から来る引合いといえば、

「こんなことしたいんだけど、話しできる?提案くれる?」から始まり、

 「じゃあ、具体的条件は?予算は?」とこちらから切り込むと、

 「とりあえず、そっちの提案を教えてよ。」と、こちらから出るものを待っています。

しかも、ビジネス・スピードが、稟議制度のある日本とは違い、豪速で、こちらが提案を渋ったり、内輪でまとめるのに時間がかかっていると、一挙に興味はなくなり、他に移っていってしまいます。

 

 まさに、「こういう需要があるのよ!」と、投げかけて、美味しいビジネス話を引き出す作戦なんでしょう。いや、もしかしたら、あまり具体的に考えてこのように行動されるのではなく、文化や生活習慣が背景となった行動様式の違いなのかもしれませんが。そういう意味では、悪気があるのでもなんでもないのです。日本人のように、じゃんけんを同時にしないだけなのでしょう。

 

 「兵法三十六計」は、ビジネス・経営理念や、「強く生きる指針」にも通じ、いろいろ考えさせられるのですが、やはり発祥の地、中国の文化や考え方も感じることのできる、奥深い読み物だと思います。

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