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わらしべ長者の作戦

2017/07/03 5:01 に Sae Goto が投稿
 今年で中小企業診断士になって10年目です。私が中小企業診断士になろうと思ったきっかけは、出産。それまでワーカホリックで、残業や滅私奉公は美徳と思い込み(いや、20代やそこらでは、そこまで考えていたかさえ微妙ですが…)進んで仕事を取り込んでいました。そんな私でも、小さい命を育てる立場になると、「それではいけない」と思い始めたのです。でも、経済活動や社会から遠ざかることは考えませんでした。欲張りな私は、バランスをとりながら両方自分のものにしたかったのです。

 一浪して晴れて診断士試験に合格し、二人目を妊娠しながらも登録のための実務補修を受けているときに、新たな疑問が生まれてきました。「これで資格は取得できても、どうやって仕事をとっていくのだろう。経営者なら、経験のあるコンサルタントに話を聞いてほしいと思うだろう。大体『助言』に価値があるのか??」ずっと、問い続けていたら、幸か不幸か海外転居する羽目になり、シンガポールで初めて独立することになります。その時も仕事が取れるようになるまでは、色んな人の話を聞いたり、無料コンサルをやってみて価値があるかサウンドしてみたり…で、仕事が取れるようになると、また上海に転居になり、幸か不幸か京都府上海事務所で京都の中小企業さんの中国ビジネスのお手伝いをすることになったり…

 やはり問い続けました。上海でも、帰国後も。コンサルタント事業の価値について。10年目にして一つの答えが出ました。確実に言えるのは、「私自身の」経験は、お金にならない、ということ。私自身の前職での経験は、「きっかけ」「強み」になることはあっても、あくまで修飾部分。事業本体は私自身が柔軟でいて、いつも新しいものを取り入れ、それを誰でもわかるように翻訳したり、アレンジしたり、調整して提案する力。マニュアル化が難しく、殆どカスタマイズしかないコンサルティング事業で、自分自身の経験や知識が変わらなければ、多様で複雑な問題に対応できるわけがない。

 「企業のお困りごとをサポートする仕事」とは、本当に困っている人に自分路線の解決方法に引き込むことではなく、今考えられるあらゆる方面のあらゆる可能性をヒントとして示すこと、そして判断してもらいやすいように導くことなんだろうな、と今は思います。「溺れる人は藁をもつかむ」、中国語なら「救命稲草(ジィウ・ミン・ダオ・ツァオ)」、細くてもなんとか窮地を脱して次につなげられるような藁のような作戦を、いつでも多様に創造できるよう、それがわらしべ長者の藁になれるよう、アタマとカラダを柔軟に、筋肉質に鍛えておこう!と思う、夏の始まりです。

救命稻草 [jiu4 ming4 dao4 cao3]

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