どちらにとってもHappyで。

Post date: Nov 28, 2016 1:01:30 PM

コンサルティングを行う時に、いろいろ注意するポイントはありますが、一番は「ひとりよがり」にならないことだと考えています。クライアントさんがご存じでない知識、気づいておられないポイントをピックアップしたり、説明したり、ということはコンサルタントだからできることではありますが、その後のアドバイスや知識の受け入れ方、改善方法などの実行の仕方については、相手の事情を十分、いや、十二分にくみ取って引っ張っていくなり、背中を押すなりしないと…と、私たちのコンサル・サービスへの満足度が下がってしまいます。私も初めは、「そんなに一杯話されても、全部消化できない!」とクライアント企業さまに、お叱りをいただいたことがあります。

大体コンサルタントでお節介で「なく」て、口数も少ない人は余りいないと思います。大部分が自分が経験してきたことや得た知識を、他人にも有効活用してほしい、というパターンで(そして私もそうです)、他人の役に立つことで自分も満足したい、と願っています。もちろん、仕事に生きがいを感じるのは良いことだと思うのですが、こと、コンサルタントに限って言えば、いつも私は経営コンサルタントの「先生」ではなくて、コンサルティングサービスの「プロバイダー」でありたいと心がけています。また、頭と口だけでなく、本当に手や足といった労働もつぎこむことで、「トレーナー」「サポーター」の役目も果たせれば、よりサービスに厚みがでると考えています。ほかの商品を作る人、サービスを提供する人が「より良い品・サービス」を目指すのと同じように。

ビジネスの世界なので、誰もそれをタダで買おうとは思いません。ただそれが、プロフェッショナルのレベルに達していて、食べておいしいと思えたり、疲れているという気持ちが癒えたり、壊れたものが治ったり…と、何か対価を支払うに値する満足を顧客が得ていることが大前提です。「経営コンサルタントなんて、相談役にお金を払う企業なんて、ほんの一握り」などというグチも良く聞きます。「靴を履かない国だから靴が売れる!」と市場創造をするのか、「靴のない国だから靴は売れない」と、別の市場を目指すのかは自分次第。確かに日本はマーケティングやコンサルティングにお金を使う、ということは余り普及していないかもしれません。でもそこはパイオニア精神で顧客のニーズを徹底追及していって良いのではないかと思っています。そうすれば中国語の成語、「両全其美(リャン・チュエン・チー・メイ)」、顧客側もプロバイダー側も、ともに満足というような双方にとってハッピーな状態が創出できるんだと思います。そう、いつも自分と同じように相手を見ることを、忘れないでいたい…ですね。

两全其美 [liang3 quan2 qi2 mei3]