机でも紙でもなくて

Post date: Sep 27, 2015 2:35:02 PM

新市場の開拓や新製品開発の際、その商品の市場規模の調査や、販売戦略の策定が重要であることは言うまでもありません。特に、中国は一つの省だけで日本の人口を超えるところもある大国なので、目標市場の設定や売り方が日本流のままだったり、無策で来てしまったりすると、太平洋に石を投げ込むような、市場進出になってしまう可能性大です。

かといって、マーケティング活動ばかりやっていても、ビジネスとしては一歩も進まないばかりか、人も社会も動いていく中で、いたずらに時間を過ごし市場自体に変化を来してしまうかもしれません。何事も完璧はないのだから、(決して「いい加減にして」という意味ではなく…)テンポよく段階を踏んでいくことも、これまた大切です。

先週は、弊社の中国パートナー企業から出張者が来られていたため、一緒に東北地方を出張し、現地の企業さまを訪問致しました。東北地方に限ったことではないですが、今後海外市場を検討される企業さまは、まず「どうやって売っていくことを考えたらよいのか?」という疑問にぶち当たり、実際に今回のように海外からの買い手から「今後継続的に取引したい」と言われた場合、嬉しい反面「どのように進めればよいのか?」という問題にも直面します。今回の出張では価値観の異なる売り手と買い手の会話を、何度も通訳する機会に恵まれ、私は今後の中小企業の国際化に関する問題解決の要点を二点確信しました。

ひとつは、やはり冒頭に書いたマーケティングと戦略の策定です。重要なポイントだけあって、このフィールドについては、得意としているコンサルタントさんは非常に沢山おられます。もうひとつは、テンポよく段階を踏んでいくこと、つまりビジネスを実践に移していくことです。コンサルタントとしては、プロジェクトマネージャーとか、タイムキーパーみたいなイメージかもしれませんが、私は中小企業さまのコンサルタントとしては、「一緒にいてほしい、一緒にやってほしい」というニーズに応えることだと、考えていますし、今回の出張でもそうであることを再確認しました。

日本語でも「机上の空論」とはよく言いますが、中国語は机ではなく、紙の上で兵を談じる、「纸上谈兵(ジー・シャン・タン・ビン)」と言います。いろいろ情報を集めて、戦略を練って提案すること。そこから一歩進んで、戦略実践となると何だか怖い、一人では不安だ、と二の足を踏まれている企業さんに、勇気を持って成功を掴みとっていただけるよう、時には背中を押し、そして一緒に歩んでいける、ビジネス・パートナー会社にチアーマンサポートを育てていければ…と思って今週もがんばります!

纸上谈兵 [zhi3 shang4 tan2 bing1]