龍はコワイ?

Post date: Nov 3, 2014 1:14:50 AM

今月末、中小企業さんの海外進出支援セミナーで講演させて頂くので、資料準備をしておりました。一口に海外進出支援と言っても、国内とは違い、色んな意味で「勝手の違う」ところに出て行ってビジネス上関係を持つことの難しさ、そして怖さは、ノウハウやネットワークを持つ大企業ならともかく、中小企業さんにとっては並大抵ではありません。

私も株式会社チアーマンサポートを設立し、自ら海外送金も行い、貿易事業にも直接絡みながら支援をさせていただく、ということを始めてまだ1年少々ですが、小さい会社だけに、怖さというのはいつも感じているのが現状です。でも、商社で得た経験、実は4か月間だけ在籍した乙仲で集中的に受けた研修、そして中小企業診断士資格の受験勉強…などを総合すると、知識や経験は、一般的に国内ビジネス一本で頑張って来られた方よりは、少しは分かっていますし、他人に対して説明もできる、という自負もあります。そして、ロシア、シンガポール、中国(あとフランスも2か月…)に滞在経験もあります。

ただ、果たしてそれだけで、「国際派コンサルタント」と言えるのでしょうか?というのは私の、自分自身への問いかけです。国際ビジネスは、何がリスクなのか分からないから、また言葉も違うから「危ない!」と言われても注意喚起できないから、だから怖いのです。外国語ができるから克服できるようなレベルではありません。でも、もし怖さを理解し、頑張れば良いビジネスになるかもしれないことを、誰かが一緒にやってくれたら…。そういうニーズがコンサルタントに求められているのだ、と私は思っています。

中国の成語で「葉公好龍(叶公好龙):イエ・ゴン・ハオ・ロン」というのがあります。楚の国の葉公と言う人は龍が大変好きで、服や家の飾りや、何もかも龍づくめにしていました。それを天から見ていた龍が嬉しくなって地上に降りて葉公に会いに来たところ、葉公は驚いて逃げてしまった、というお話です。「好きだ好きだ」といっても、好きなのは偽物の龍。本物の龍を見たら、怖くて逃げてしまう。要は「ホンモノ」を理解していない、という意味なのだそうです。

このお話は先日NHKラジオの『レベルアップ中国語』で紹介されており、それを聴きながらふと、思ったのです。これは、自分は安全なところから「国際化、国際化」とだけ言っているのと同じだ、と。説得力のある、行動力のある国際化支援。恰好よくて、力強くて大きな本物の龍に、一緒に会いに行くこと…のような気がしました。

叶公好龙 [ye4 gong1 hao4 long2]