牛さんにお琴

Post date: Mar 8, 2015 3:21:25 PM

先週も、有難いことに色んな方とお会いし、あるいはメールやSNS等で情報交換させていただきました。お仕事上の相談あり、ビジネスの打ち合わせあり、雑談に近い交流もあり…。こういった情報交換は定期的に行いたいものなのですが、残念ながら相手のあることなので、なかなか万遍なくコレポンすることは難しくて、どうしても一時に重なることが多いようです。

気持ちに余裕があるときは、まだそれでも忙しさを楽しみながら、頭や話題の切り替えを人によって素早く行えているのですが、心身共に疲れたり、何かの締切が近づいて焦ったり苛立っていたりする時は、ついつい事務的になるか、わかったような決まり文句で返してしまったりするものです。また、同じような仕事を連続して行っているときもそうです。私達の仕事は、一社一社、クライアントさまの状況は異なるのに、どうしても過去の小さな経験を持ち出したりしながら、「経験がある」ということを相手に示そうとしたり、経験値を無理に活かそうとしてしまって、効率的にしてしまったがために、よい成果を生まないことが多いのではないかと思います。

さらに、知識と現実との結びつけ。これも、診断士受験の際に習った経営理論や助言理論、折角覚えたことなので、できれば使ってみたい言葉も沢山あるのですが、それは「診断士としては」面白いだけで、クライアントさんにとっては、何の役に立たない言葉かもしれません。また、耳慣れない言葉なら、どんなに状況が合致していても、どんなに有難い言葉でも、それは馬の耳に念仏と同じで、説明している診断士も企業さんも、お互いに分かり合えない無駄な時間を過ごしてしまっていることになります。

そう、「馬の耳に念仏」と言いましたが、実はこれ、中国語にも色々ありまして、今日ご紹介するのは「对牛弹琴」(ドゥイ・ニィウ・タン・チン)→「牛に対して琴を弾く」です。互いのレベルが釣り合わないところでコミュニケーションしても、時間や労働力の無駄、ということですね。

私達の仕事の目的が、あるべき姿をご理解いただいて、実行に移していただくことだとするならば、やはりそれぞれのフィールドで動いてもらうことが一番大事なのです。すると、それぞれの業種・業界の「地」での実状の把握、問題解決が一大事。馬さんとは馬さんと話すように、牛さんと話すときは牛さんの気持ちになって…。ちょっと難しいことではありますが、寄り添うことの第一歩のような気がします。

对牛弹琴 [dui4 niu2 tan2 qin2]