塞翁が馬

Post date: May 18, 2015 2:12:45 AM

私は妹と女の子ばかりの家庭だったからか、幼いころから父親に「結婚したら自由がなくなるが、より自由がなくなるのは女性の方だ。だから独身のうちに、悪い事以外はなんでもチャレンジしなさい。」と言われて育ちました。結婚に至るまでも、「別に大学出たらすぐに就職しなければならない、なんて決まりはない。」と、他の人が聞いたら、なんともいい加減!?と思われるようなアドバイスを受け、実際に京都で残留孤児への日本語教育や生活指導の仕事、ロシアでの日本語教師、そして商社、ITベンチャーと、あれやこれやと挑戦し続けてきました。

これは、見方によっては「落ち着きがない、長続きしない」とも言えますが、(実際、商社からITベンチャーに転職するときは、書類選考だけで約20-30社…ちょっと覚えていないですが…も落とされ、面接にも進めず、自分で何もできないことがとても歯がゆかった思い出があります。)今思えば、これらの経験が全て今の私に活きているような気がします。

さらに、20代のころからお仕事が大好きで、ちょっと褒められては調子に乗って夜中までも残業し、それでも翌朝は誰よりも早く出勤する完全なワーカ・ホリック。自分の名前も色んな方に覚えて頂き、どんどん天狗になりかけたころ、結婚と二度の出産、そして夫の海外転勤を契機に退職…となった時、旧姓で通していた職場の名前も、使うこともなくなり、収入もなくなり、私は○○さんの奥さん、か、○○ちゃんのお母さん、としてしか見られなくなったこと、どうにかしたくても、海外に出てきてしまって、乳幼児を連れて自由に動けず…これまた大きな挫折でもありました。

でも、やっぱりその時があるから、今があるような気がします。ちょっとやそっとでは、潰れない自信もできました。でも、こんな思いをしているのは、別に特別では無さそうです。最近、本当に偶然、女性経営者の方と出会い、お仕事をする機会に恵まれているのですが、彼女らも大体、仕事をしていくには何度か試練や挫折、そして仕事からの断絶を経験しています。でも、それをどう転機として捉えるか、どうプラスに変えられるか、或る意味キモチの持ち方ひとつで、運命も変えて行けるような…そんなパワーを持つ人々に、私もパワーをもらう日々です。

人間万事塞翁が馬。中国語は少し違って「塞翁失马(サイ・ウェン・シー・マー)」と言います。起こってしまった、ちょっと災いと思えるような事象を、プラスに変えて行けるような強い心と、明るい気持ちを持ち続けたいものですね。

塞翁失马 [sai4 weng1 shi1 ma3]