三方よし

Post date: Jul 4, 2016 11:44:46 AM

近江商人の行動規範とされていた「三方よし」。最近続けて目にすることがありました。ご存知のとおり「三方よし」とは、「売り手よし、買い手よし、世間よし」。よくビジネスの協業で「Win-Win」の表現は出てきますが、関係者双方だけでなく、社会的にもどうか、ということが、企業の社会的存在意義にもなる、ということなのでしょう。

このダイバーシティの時代、当社もそうですが、個人事業に近い形での企業の設立のハードルが下がり、簡単に創業できるようになりました。個人で独立するときの形態として、「個人事業主なのか、法人なのか」で迷われるケースも多いでしょう。(そして、弊社も全くその通りで…)すると、なおさら一人でできることが限られてくるので、パートナーの重要度が大きくなってきます。そこで「Win-Win」の相手を、できるだけ確保して、利益が入ってきやすいネットワークを拡大していく…という、プロセス。

ここまでなら自社とパートナーの二社だけの話。社会にどれだけ貢献できているか、というところまで、なかなか目が向けられないものです。起業するときには「こんな便利なものを世に出したい」「こんな人々を助けたい」と、思っているのに、実際事業を始めると、家賃だ人件費だ、税金だ、HPや広告…と、どんどんコストが出ていきます。その出費を上回る利益を出すのに(当然ですが)必死になってしまい、もともとこの会社として、社会のどんな役に立ちたかったのか、ということはどんどん後回しになりがちなのです。

でも。経営者さんのコンサルティングをしていて「もともとどうしてこの会社を起業されたんですか?」あるいは、「社長になったとき、どんな会社にしようと思いましたか?」と聞くと、ふと、三つ目のことを思い出される方が多いです。すると、希望に燃えてきたときの気持ちがよみがえるんでしょうか、意欲的に課題に取り組まれるようになること、よく見受けられます。社会の中でどんな役に立ちたいか。これは経営者にとっての大きなロマンなんでしょうね。

で、これにあたる中国語を探してみたんですが、「Win-Win-Win」はなくて、「Win-Win」まででした。「两全其美(リャン・チュエン・チー・メイ)」双方が美しいこと、双方にとって良い結果になること。三方はやはり、なかなか難易度が高いので、まずは双方のことから考えましょうか。自分だけ大変ビジネスなのではなく、自分も相手もワクワクするような、ビジネスになるように。

两全其美 [liang3 quan2 qi2 mei3]