数だけなら力ではない

Post date: Dec 18, 2017 12:42:09 PM

人材・労働力不足、仕事はあるのに、募集活動をしても、なかなか人が集まらない…多くの企業さんの悩みだと思います。ほんの30年ほど前なら、どかどかと新入社員が入ってきて、皆で研修を受けて、「同期」の結びつきが強かった…そんな状況、多くの企業でみられた光景ですよね。まあ、同期入社がたくさん、といのは大企業だけかもしれませんが、労働市場はもう少し活気があったことは否めないでしょう。

しかし、景気が良かっただけで、コストに対してあまりシビアになる必要がなかったばっかりに、人材についても「とりあえず居た」というケースが多かったのではないでしょうか?企業経営が厳しくなった今、シビアにせざるを得なくなった、というよりは、本来この会社に必要な能力・人材は?と、良い方にとらえれば、真面目に考える時代になったのではないでしょうか?

中途採用の多い中小企業では、よく経営者さんが「良い人材は大手企業に流れる。」とよく愚痴をこぼされます。確かに、そういうことも有るかもしれません。しかし、そういう経営者さんの場合、「育てる」という観点が抜け落ちていることがしばしばです。即戦力欲しさに経験者を採用したとしても、その会社の文化、小さな事ならお手洗いの場所だとか、ランチタイムのルール(というか、流れ?)とか、大きいことなら理念や優先順位等、初めてのことばかりで、教えてもらえないと分からないのです。にも拘わらず、「あいつはできない」と決めつけてしまったり、それでも「教える・鍛える」ということをしない…。でも忙しくて人が足りない、だからまた、採用してしまう。

これでは、ほんとうにその会社に必要な社員が育たないだけでなく、無駄に人ばかり増えてしまい、給与以外の社保だなんだと、コストが膨らむばかりです。日本語でも「枯れ木も山の賑わい」といって、とりあえず頭数だけ揃えとけ!というような、人材の無駄があることを指すような言葉がありますし、中国語で「濫竽充数(ラン・ユィー・チョン・シュー)」笙(しょう:古代楽器)の吹けない人員を、楽団の中に頭数として揃え入れている、とうような表現があります。しっかり育成できれば、長きにわたってその会社で自分の居場所を見つけ、成長の方法を見つけて会社を引っ張る存在になりえます。しかし、育成することを面倒がってしまって即戦力を寄せ集めてくると、ただコストばかりが嵩むだけでなく、方針も分からないまま協力することもない集団は、みんながバラバラになってしまうだけです。数より質が大事、そしてその質は、自分たちで作っていくもの!そう信じて今後も邁進していきましょう!

滥竽充数 [lan4 yu2 chong1 shu4]