ウチなりの解釈『兵法三十六計』 第十六 計 “欲擒故縦”(よくきんこしょう)

Post date: Mar 10, 2014 2:00:30 PM

擒(きん)とは擒える(とらえる)、縦(しょう)とは縦つ(はなつ)。この場合はそう読むのだそうです。漢字って本当に難しいですね。要は、捉えようとするならば、わざと包囲の手を緩めてみなさい、ということ。相手をぎゅぎゅっと追いつめてしまうと、警戒して、時には火事場の馬鹿力で攻撃してくるかもしれませんが、そんな時こそ、ちょっと追いつめるのを止め、相手の警戒を解きましょう。その方が楽に捕まえられます、そういう意味なんですね。

相手がそこにいるのに、追いつめて捕まえてはいけない。分かっていても、自分に自信がなければなかなか実行できることではありません。いや、単に捕まえるだけで良いのなら、力ずくで捕まえてもよいのかもしれませんが、その後自分の言うことに従って欲しい、というのであれば、いくら自分の言い分が正しくても、理詰めで相手を説き伏せるのではなく、時には相手の言うことを聞くぐらいの余裕も必要なのでしょう。

先日、私の属する東京都中小企業診断士協会の国際部で主催した国際交流会で、ワークライフバランスや女性の社会進出に関するアンケートを取り、その結果について話し合いをしました。また、男性の家庭・家族イベントへの貢献・参加についても活発な意見交換がなされたのですが、結果的には多くのグループで互いへの尊敬の気持ちや思いやり、そして話し合いが大事、というポイントで落ち着いていたようです。

共働き家庭で子供も小さい、しかも、夫婦共に仕事で忙しい時期が重なったりすれば、互いに家庭の役割を押し付けあったり、余裕もないので雰囲気も険悪になったりするものですが(そんなことはない、というご家庭もありますよね!?)、そんな時こそ『欲擒故縦(よくきんこしょう)』、夫も家事に(しかも、私が思うとおりに)参加してほしい!!と言う想いを理詰めでぶつけるのではなく、互いに敬意の気持ちをもって「気持ちを伝える」という態度で接する方が、より「夫の家事参加確率」がアップするような気がするのですが…いかがでしょうか?

欲擒故纵 [yu4 qin2 gu4 zong4]