信じる者は、救われる?!

Post date: Apr 20, 2015 1:35:55 AM

「杯弓蛇影:ベイ・ゴン・シュー・イン」この中国語のことわざ、実は今、気になっている状況を表すのに、適当なものはないかな…と探し当てたもので、私も初めて学びます。日本語でも同様の四字熟語がありますが、一文字違って「杯中蛇影(はいちゅうだえい」となるようが、こちらも恥ずかしながら、お初にお目にかかります。意味は、必要以上に疑って病んでしまうこと、疑心暗鬼になることを意味します。

中国の故事では、“招かれた先で壁に架けられた弓が杯の酒に映り、蛇のように見えた。それを飲んだ客は気になって病気になってしまったが、それが壁の弓だと分かると病気が治った。”ということから来ているようです。疑いの目で見始めると、とことん信用できなくなるものなのですね。

確認もしない情報から勝手に妄想し、疑心暗鬼になってしまう…海外展開支援をしている私にとって、本当によくぶち当たる状況です。日本語だけを使って、日本人だけと取引していた状況から、グローバル化を進めるということ―大陸で違う言語の人々が隣り合わせで、しょっちゅう行き交い、歴史上も争いを繰り返してきた―そんな人々よりも、かなりハードルが高いことなんですよね。だから自分で見もしない状況を、少しのニュースやネット情報から類推し、「どこどこはコワイ、アブナイ。」になってしまうのでしょう。

初めての事は誰でも怖いのです。自信が無いのです。私も、もう20年以上前のことですが、言葉も出来ないロシアに単身渡航し、2年間日本語教師としてロシア人の同僚と一緒に働きました。当時のロシアは、ソ連が崩壊したばかりで、確かに治安もよくなく、物流もおかしくなっていて、物不足は日常茶飯事でした。でも、社会的にはそうであったとしても、私は楽しく充実した2年間を過ごさせていただきましたし、ロシア語も覚えました。それは、周りの人々に恵まれ、素直にそれを感謝し、互いに信頼関係を築いていけたからではないかと思っています。

もちろん、誰でも信用して良いわけではないですし、人を見る目や信頼の度合いを深めていく、ある種のスキルも必要でしょう。しかし、それは日本であっても外国であっても変わりません。時間をかけて、失敗や苦境を乗り越えて達成していくものだと思います。情報が沢山飛び交う中、じっくり調べる情報、スルーする情報、参考にする情報…自分の中で取捨選択し、大事なビジネスパートナーとは、もっともっといい関係になれるよう、互いに切磋琢磨していきたいものだと、自分自身にも言い聞かせています。

杯弓蛇影 [bei1 gong1 she2 ying3]