翼はなくとも

Post date: Sep 11, 2017 5:46:31 AM

インターネットが私たちの生活や仕事に無くてはならない存在になった今、そのリスクも十分大きくなっています。企業様の経営改善の提案に必ずと言っていいほどIT推進を含める私でも、慣れないIT化を進める方々にこそ、しっかりそのリスクについて説明し、理解していただいているかを確認する必要があると肝に銘じる毎日。何事も表裏一体であり、便利になったからこそ、その逆もある、という覚悟が必要ですよね。

たとえば、マーケティング。企業がホームページを作ることは特別でもなく、当然のこととなりました。またPRのためでなくても、信頼や存在の確認という意味でもホームページが無いということは「本当に大丈夫?」とさえ、思われることもあるぐらいです。かといって、ホームページさえ作れば、また適当に更新さえしていればよいのか、というと、そうでもなく、あふれるばかりのインターネット情報の中から、是非見ていただきたい方にヒットして、自社サイトに引っ張ってくるには地道な更新・発信や、お金をかけて「流れ」を作ることも必要になってきます。これは、リアルの店舗、リアルの紙ベースの広告も同じことですが、印刷しなくて良くなった分、コストダウンが可能になり、工数やコストもずいぶん下がりました。

しかし、コストは下がったとはいえ、本当に来てほしい、見てほしい、買ってほしい層にターゲティングすること、そして引っ張ってくることというのは、そう簡単なものではありません。如何に魅力的に見せるか、いかに継続してきてもらうか、ずっと努力と工夫をしつづけなければいけません。ところが。お客様を獲得するのはこんなに難しいのに、逆に悪い話というのは、広まるのはいとも簡単なのです。SNSがメディアとしてその地位を確立している現代では、こそこそ話で広がる速さが恐ろしいほどで、社会的メディアだけに、途中で情報が曲がったり、尾ひれがついたりしても、その収拾はとても難しいのです。

中国の四字熟語に「不翼而飛:ブー・イー・アール・フェイ」(翼がないのに、伝播の速さが尋常でない)という言葉がありますが、まさにこの事象にぴったりだと思います。いや、そもそもこんなことばは、何千年前の言葉なんでしょうか?当然インターネットなんてなかった時代にできた言葉に違いありません。でも、良からぬこと、できれば他人に知ってほしくない事ほど速く伝わる、というのは、太古の昔から変わっていない、ということなんでしょうね。改めて、身を引き締めて、実直に、真面目に、毎日を積み重ねよう!!そんな思いでおります。

不翼而飞 [bu4 yi4 er2 fei1]