「分からない」と発信しよう

Post date: Oct 17, 2016 7:31:41 AM

「聞くは一時の恥、知らぬは一生の恥」と言いますが、先生と呼ばれるような立場であっても、常に変わり続ける世の中にあっては、永遠に100点満点ではいられません。常に分からないこと、新しいことにぶち当たるものですよね。そんな時は、下手にごまかしたり知ったかぶりをしないで、素直に聞いた方が自分もすっきりしますし、相手に対しても良い印象を与えます。相手が経営者となると、もちろん若い方もおられますが、多くは年配の方で、年齢でいうと私よりも人生の先輩ばかり。教えていただくことはこちらも多くあります。ですから、結構素直に知らないことは「知らない」と言えるのですが、これが相手が自分より年下の人にも同じように言えるでしょうか?

どんなにダイバーシティだ、自由だ、多様性だといっても、悲しいかな、人は話をするとき、相手はどんな人間なのか、話を進める上でその人のプロフィールをインプットしたがります。しかも、絶対的な項目よりも自分を基準として上か下か、という物差しが身近で分かりやすいので、すぐに持ち出してしまいます。ですので、年齢、知識、専門性などで自分よりも上の方には敬意を払えても、下(と思われる段階)の方には、なんとなく質問することさえ躊躇われてしまうのでしょう。

実は、この「できない、分からない、助けて」と誰にでも発信すること、これは今後広がるであろうリモートワークの成功の鍵のように私は思っています。見た目で年上・年下と判断して、話を進めていた今までとは違い、オンラインで相手とやりとりをするとき、「ここで質問したり、できないと言ったら、見えない相手の人たちに私はどう思われるだろう…」という不安がよぎります。当社でも、今、リモートワークでパートナーのコンサルタントさん達と、もろもろのやりとりをしています。社員として雇用している訳ではないので、少し緩い感じのつながりなのですが、強制力がない分、コミュニケーション力で活性化状態を保つしかありません。しかし、皆ができることだけを言い、できないことや不安なことを胸にしまったままでは、問題の認識や歩調を合わせることも難しくなります。人生も仕事も山あり谷あり、谷の部分の共有も必要なのです。

「不恥下問(ブー・チー・シャー・ウェン)」、下の者に聞くことを恥じない、という意味の中国語のことわざですが、インターネット出現のずいぶん前からある格言、どんなに世の中が変わろうとも、人と人との関係や接し方の基本は決して変わることがない、ということなのでしょうか。今週も素直な心で全てに全力投球しましょう!

不耻下问 [bu4 chi3 xia4 wen4]