卵を投げたら

Post date: Jun 13, 2016 1:15:28 PM

「鸡蛋碰石头(鶏蛋碰石頭):ジー・ダン・ペン・シー・トウ」。「鶏蛋」は鶏卵、「石頭」は石ころのこと。卵を石にぶつける、つまり…間違いなくすぐに割れてしまうので、勝ち目のないことをする、身の程知らずのことをするという意味だそうです。確かに、勝算のない勝負はやってはいけないかもしれませんが、日本人はいつも、その心配ばかりして、チャレンジしないような気がします。いや、卵を投げてしまうか、あるいは全く何も投げないのかもしれません。

たとえば、ビジネスの海外展開で、よくあること。私は常々、海外展開や国際化というのは、急に何か特別なことを始める、ということではなく、国内事業の延長線上にある変革(売上拡大のための市場拡大、コスト削減のための海外材料調達、何かの問題解決やイノベーション)を行うこと、と申しております。簡単に言うと、現状の取引形態では、これ以上の利益拡大は見込めないから、ビジネスの一部をボーダーを超えた取引に替える、というイメージです。ですが、ボーダーを超えてしまえば、言語、法律、商習慣が異なってしまい、色んな壁にぶち当たってしまうことも事実です。

「だから…」なのか、「にもかかわらず…」なのかで、全く何もしないか、あるいは投げるとしたら無防備に卵を投げるか、に陥ってしまうケース、よく見られます。何事も初めてのことはストレスもエネルギーも、そしてお金も必要になってきます。でもそれは越えてみて初めて、次のステップなり課題がみえるもの。「今動くのは得策でないから、静観する」という「能動的なストップ」は別として、「こわいから、めんどうくさいから、わからないから」ストップすることは、時代に取り残されること、退化していくことに他ならない…ですよね。一方、ボーダーを越えて取引するときの違いやリスクの対策もせず、日本にいるときと同じように商談し、当然のように上手くいかないことがありますが、こちらは十分な準備もせずに卵を投げてしまう場合です。

いずれも困った例ですが、両極端の例ながら共通していることがあります。変化を、もっと言えば進化をしようとしていないのです。日本の市場で十分利益が確保できなければ、勉強してでも海外進出も検討しなければいけないですし、日本でのやり方と同じようにはできないのだから、国際ビジネスとして通用する方法を模索しなければいけません。卵を次のステップの鶏に育てるため、あるべき変化は苦労してでもやり遂げなければいけませんね。今週もがんばりましょう。

鸡蛋碰石头 [ji1 dan4 peng4 shi2 tou]