お重箱ではなくて牛の角

Post date: Oct 19, 2015 12:01:33 AM

細部にばかり注目し、重要度の低い些末な事柄を大きく取り上げることを、「重箱の隅をつつく」と言いますよね。中国ではお重箱が無いからか(?)似たような言葉でも「牛の角の先から(キリなどで)穴を開ける、または潜り込む」という意味で「钻牛角尖(鉆牛角尖):ズゥワン・ニィウ・ジィアオ・ジィエン」という熟語があるようです。

この言葉を今日取り上げたのは、私自身が今、ある企業さんと一緒に商品開発と販売戦略について議論をしている途中で、思い当たる節があったからです。もちろん商品の内容については、何も申し上げられませんが、かなり深く、また色んなケースについて議論が及ぶため、一度の打合せも長時間で互いに非常に消耗してしまいます。また、互いにどうしても譲りたくない、というポイントについては、どちらも話し方に余裕がなくなり、相手の事を思いやるエネルギーが少なくなることから、多少攻撃的な言葉さえ使ってしまいます。

そんな時です。いや、正確に言うと、その打合せはそれで終わり、一旦持ち帰って再度自分で反芻してみたり、他の方の意見を聞いてみたりすると…あれあれ?案外揉めていたところは、本丸ではなかったかな?そのポイントは各論であって、もっと大局的にどうやって持っていくべきか、何をゴールにするべきか、考えないといけなかったかも…!!!と、自分が必死になっていたポイントの小ささに、何となくこっぱずかしいような気分にさせられてしまいました。

「重箱」の言葉がよく聞かれるシーンとして、お役所のような、とか、閑職の管理部門が、自分の仕事を作るかのように、つまらないことでこだわる、ということが多いかもしれませんが、案外忙しさに紛れて、頭の中がヒートアップしたときも冷静さを欠いて本質を見失うことがあるものです。一人会社から卒業した今、社長がこれではいけませんよね。いや~、中国の成語から学ぶこと、経営から学ぶこと、本当に沢山あります。時間的に余裕ができるのはまだまだ先の事かもしれませんが、いつでもベストな判断ができるようなカラダとココロのコンディションを保つこと、そして限りある時間とエネルギーを最も効率的に配分できるスキルを磨くこと、これは益々努力せねば!!と痛感した牛の角のお話でした。

钻牛角尖 [zuan1 niu2 jiao3 jian1]