秋にもいろいろ

Post date: Sep 18, 2017 11:41:14 AM

9月も後半になりました。日差しが強くても風が涼しかったり、夏のような湿度がなかったり、また八百屋さん、魚屋さんでは秋の味覚がみられるような季節になりました。そんな秋の入り口に、中国の四字熟語、「各有千秋(グー・ヨウ・チィエン・チィウ)」をご紹介しましょう。「千」「秋」この二文字を見ると、中国語よりもむしろ、百人一首のあの歌が思い浮かびます。(個人的には…ですが!!)

月みれば 千々に物こそ 悲しけれ 我が身ひとつの 秋にはあらねど 大江千里

月を見ると、いろんな事が悲しく思われるなぁ。私一人だけの秋ではないのに。というような意味ですが、「いろいろに、さまざまに」といった意味で、「千々に」ということばが使われています。そこは中国語も同じで、数が多いこと、多様なことを「百」とか「千」といった漢数字で表すんですね。で、百人一首に寄り道しましたが、今日のことわざの「各有千秋」、人それぞれ、色々ですよ、ということです。

先日、クライアント企業さまの社内会議にお邪魔しました。普段実施されている会議に私が参加させていただいたものですが、初めはいつもと違うメンバーがいることに多少硬さがありつつも、時と共に発言もみられるようになりました。そして、メンバーのコメントの中にはかなり突っ込んだ思いや意見・主張も出てきて、秩序が保たれた中で熱くなり、私としては非常に収穫のある時間だと感じました。

毎日寝食を共にする家族でさえ、価値観の合わない事、何度見ても慣れない事はあります。会社という人間社会ならなおさらです。でも、株式会社は利益を追求するもの。何か社会の中で果たす役割、それを果たすために守ること、大事にすることを共有しつつも、その方法や取り決めについて、自由に思いをぶつける場を持つことは、会社に活力を与えてくれます。「いろんな意見が出たら、かえって面倒だ」という経営者さんもおられます。でも、それは「意見」でなくて「グチ」が怖い、という場合の方がどうやら多そうです。会社の方針が不透明だとグチが増えます。逆に方針や理念がいつも明確に示されていて、その方法やアプローチについてアイディアを出し合うこと、これは素晴らしいことですし、極端に言えばメンバーの数だけバリエーションがあったって良いかもしれません。共通の目的を持った上での健全な話し合い、是非多様な意見を柔軟に受容し、あるいは取捨選択し、調整し、強い会社をめざしていきましょう!

各有千秋 [ge4 you3 qian1 qiu1]