Post date: May 27, 2014 2:48:57 AM
実際に無くとも、あるかのように見せかけて敵を騙し、敵が騙されている間に虚を実にして攻める、というもの。実際初めに「無い」ものが、ずっと無いままなのではなく、いつか「有」にするところがポイントです。日本では「能ある鷹は爪隠す」と言って、能力があっても、それを隠すことが美徳とされますが、それは初めから有るものを、「無い」と偽るのではなく、能力なり何かが有ったとしても、単に主張しないことなので、今回の無中生有とはちょっと違います。
他の大陸系の国の人々に比べ、日本人は能力があってもそれを誇示したり主張したりしないですが、もし能力が無かったら、もっと何も言わなくなっちゃいますよね。「何時までに、これをやります!」と言って努力することも、あまり得意ではない。宣言したことが守れなかったことのリスクを考え、黙って努力もしてみるけど、努力を止めたり、結果を出せなくても、もともと誰にも嘘にならないから、まぁ、いいか、ということになる。一生懸命、がむしゃらにやることが、なんとなく恥ずかしいような気になってしまう…。何よりも頑張っている人への評価が「暑苦しい」みたいな空気まで、ありますからね…。
だから、穏やかで安定した国でいられる(良くも悪くも、一般的に…)のかもしれませんが、やはり変革が必要なとき、改善が必要なときは、がむしゃらさは必要です。昨日の日本経済新聞の「グローバルデータマップ(毎週月曜日掲載)」を見て、ちょっと「無中生有」を思い出しました。昨日の同記事のタイトルは『日本の女性、まだまだ働きにくい』。少子高齢化、経済規模縮小…これに歯止めをかけるのは女性の社会進出だと分かっていても、「でもやっぱり、いろいろ難しいよね…」で落ち着いてしまっては何も解決しません。
先日出席した東京都中小企業診断士協会中央支部のカンファレンスでも、アベノミクスの柱の一つだから、と、女性の新支部長が生まれ、私も執行委員に就任させていただきました。初めは私自身も「なんでもかんでも、女性だからという理由での登用?」と、軽く自分の中で反発しておりましたが、初めは中身が伴わないかも知れないけれど、まず形を作り、そこから実をしっかりつけられるよう、努力していくのも大切なことでは、と考えなおしました。と、いうことで、私の「がむしゃら」は、当面止まらなさそうです。健康に気をつけてがんばります。
无中生有 [wu2 zhong1 sheng1 you3]