一本の大根には…

Post date: Jun 12, 2017 7:50:57 AM

よく日本の会社や組織の特徴として「強いチームワーク」「絆」が挙げられますね。しかし管理職世代の理想として思い描く「チームワーク」と、若年層のそれとはギャップがあるのでは…と勝手に想像しております。もちろん、「勝手に」と言いましても、一応色んな企業様のお話しを聞く中で、思い当たる節があるからなのですが、私は「役割の明確なチームワーク」「助け合いができるチームワーク」の両方が備わっていることが会社組織運営上大事だと最近つくづく感じています。

従業員ヒヤリングで、よく聞かれる不満が「不公平感」です。さぼる人は上手に逃げる、仕事を引き受ける人は同じ人ばかり。企業活動の場合、その不公平感はきちんと業務管理ができていれば事務的に報酬に反映することが可能です。少ない報酬がいやなら進んで会社に貢献すればよいのです。でも、多くの会社が業務管理・役割の明確化、人事評価の管理が不十分なので、整然としない中でやる人とやらない人が混在してしまう、その結果やる人の不満がたまる、という流れになってしまいます。

「みんなもっと、助け合って、まじめにやってよ~」と、経営者は思っているんですが、実は経営者の方で従業員がまじめにやるような(あるいはやらざるを得ないような)システムを作っていないことが事の始まり、ということが往々にしてあります。企業が顧客に商品やサービスを提供してその対価を受け取り、利益を獲得することを目的としているのと同じように、従業員も生活の糧を得るために会社に労働を提供しています。だとすると、会社は従業員に何を最低限期待し、上を見るならどんな方向を期待し、何を禁止するのか、そのルールの中で実行したことに対する報酬がいくらなのか、ということを事務的に示さないと、ということになりますよね。

従業員にとって優しい会社の「優しい」は、自由に放置することではありません。放置することはすなわち、教育もなく、レベルアップもその会社にいては望めないのです。長い人生を歩いていく中で、今は楽で良くても、その後は決して優しくないのです。事務的に明確に役割と期限を与えつつ、組織としての勝負なんだから他のチームメンバーが困ったときには助ける、それも評価!と、方向とミッションを示すこと、そしてその成果をちゃんと評価すること。まずは「一個蘿蔔一個坑(イー・グ・ルオボ・イー・グ・ケン)」一つの大根には一つの穴、というように明確なミッションを提示し、土の中ではしっかり根を張ってネットワークを強固にできるような、そんな組織を目指していただきたいと日々思っています。

一个萝卜一个坑 [yi2 ge luo2 bo yi2 ge keng1]